産後の腰痛や恥骨痛が辛い……。
体型がなかなか元に戻らない……。
妊娠・出産を経験した経産婦さんの多くが抱える産後の不調。産後の腰痛は日常生活に支障が出るほど辛いもの。特に中腰状態での沐浴などは、妊娠・出産で弱った腰にとても負担がかかります。
そんな辛い産後の症状は、「産後 骨盤矯正」で改善しましょう!
産後の骨盤矯正はよく耳にするけど、実際どんなことをするの?なぜ必要なの?という方も多いのではないでしょうか。この記事では、産後の骨盤矯正の効果やいつからできるのか?などについてご紹介いたします。
骨盤とは
はじめに骨盤の構造について、簡単にご説明します。骨盤は左右の寛骨、仙骨、尾骨から成り立っています。これらが「恥骨結合」「仙腸関節」の2つで繋がって、一つの大きな輪っか状の「骨盤」となります。
【恥骨結合】
左右の恥骨の結合で、通常はほとんど可動性のない連結です。恥骨結合の上下にある靭帯によって補強されています。
しかし妊娠中に卵巣から分泌される「リラキシン」というホルモンの作用によって、結合力がゆるみます。
【仙腸関節】
左右の腸骨と仙骨の関節です。複数の強靭な靭帯で補強されているため可動性はほとんどありません。恥骨結合と同様に、妊娠中や出産時には結合がゆるんで大きな動きがみられます。
骨盤の仕組み【機能】
骨盤の役割は主に、以下の2点です。
・骨盤内臓を保護する。
・骨盤より上の上半身(体幹や上肢)の重みを支え、その荷重は骨盤をとおして両側の下肢に分散させる。
骨盤の靭帯が緩むと・・・
出産前と出産時に伸びた靭帯が元に戻るまでは、およそ3か月かかるとされています。
高齢出産や授乳姿勢などによっては、6か月以上もとに戻らないこともあります。
靭帯がゆるむと関節が動きやすくなり、体の支えが不安定になります。その不安定さを腰の筋肉で支えようとするため、腰痛が起こりやすくなります。
さらに骨盤のゆがみが発生
靭帯がゆるんで開いた骨盤は、ゆがみやすい状態になっています。
そのため、妊娠中にすでにゆがんでいる場合はもちろん、骨盤が小さかったり赤ちゃんが大きかったりすることで、出産時にゆがんでしまうことが多くあります。
ゆがんだ骨盤は自ら戻れないため、ゆがんでいるかぎり、周辺の筋肉に負担がかかり、腰痛が起こりやすくなります。
産後3ヶ月程かけて骨盤のゆるみは戻りますが、早くケアすることで骨盤のゆがみを防げます。様々な問題を引き起こす骨盤のゆがみを防ぐために、骨盤矯正をおこなうのです。
矯正しないとどうなる?
矯正しないと様々な問題が起こりますが、大きく「見た目の問題」と「痛みなどにつながる症状の問題」に分けられます。
「見た目の問題」
・骨盤が開くことによって、姿勢が悪くなり猫背になる
・内臓が下がってしまうことで、お腹が出てしまう
・お尻が下がることで、下半身に余計なお肉がついてしまう
「痛みなどにつながる症状の問題」
・骨盤内の内臓が下がり血管、神経、リンパ管が圧迫され、これに妊娠中からの運動不足も重なって循環や代謝が悪くなり、冷えやすくなる。
・全身の血流が悪くなることで、肩こり、腰痛、むくみにつながる。
このような症状が出てくる前に、歪みのない骨盤に戻してあげることが大切になります。
骨盤を正常に閉じさせるために出来ること
上で挙げたような症状を出さないためにも、早めに、しかも歪みなく骨盤を閉じさせることが大事となります。そこで行なえるのが産後骨盤矯正を受けることなのです。
1.産後 骨盤矯正の効果
妊娠をすると、赤ちゃんを骨盤内で育て分娩時に骨盤を通りやすくするため、「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
そのホルモンの作用により、骨盤周りの靭帯や筋肉が緩み、骨盤が少しずつ開いていきます。開いた骨盤は、通常であれば産後徐々に閉じてきますが、産後は無理な体勢での抱っこや授乳等、通常よりも身体に負担をかける体勢も多く、骨盤がズレたり歪んだりした状態になってしまったり、産前の状態まで骨盤が戻らないということもあります。
その状態を放っておくと、腰痛や恥骨痛がおこったり、体型がいつまでも戻らなかったりすることもあるなど、さまざまな問題が生じやすくなります。産後の骨盤矯正は、これらの症状を緩和する効果があるといわれています。
産後のトラブル(腰痛・恥骨痛等)の改善
産後、骨盤が歪んだり開いたりした状態で生活していると、体の筋肉を正しく使えず姿勢や歩き方が悪くなります。その状態が続くと、腰痛や恥骨痛や関節痛など身体のさまざまな箇所に支障が出てきます。
産後の代表的なトラブル症状を挙げてみます。
- 腰痛
- 恥骨痛
- 関節痛
- 尿漏れ
- 冷え性
- 便秘
これらのトラブルは、骨盤の歪みによる腰や恥骨などへの過度な負担、子宮や膀胱など骨盤内の臓器位置の変化、血行の悪化などが原因で引き起こされることがあります。このため、産後の骨盤矯正により、骨盤が正しい位置に戻ることで、上に挙げた産後のトラブルの改善効果が期待できるとされています。
自身でできる対策として、骨盤ベルトを使うという方法もあります。ママさんの中には長い間骨盤ベルトを締めておくことができない方もいます。着け方も難しく、骨盤ベルトの食い込みや出産で縫った場所が痛かったり、すぐにずれてしまったりしたからです。
産後体型戻しとダイエット効果
出産時に最大限に開いた骨盤が戻らないままでいると、下半身のサイズが大きくなって産後しばらくたって体重は減っているものの体型がまだまだ妊婦さん……という状態になってしまうこともあります。また、骨盤が開いた状態が続くと、胃や腸などの内臓が下垂しやすい状態となり、下腹部がぽっこりと出やすくなります。
マイナス面ばかり目立ちますが、産後は骨盤が緩んだ状態にあるため、妊娠前よりも骨盤を小さくできるチャンスでもあります!
産後にしっかりと骨盤を矯正し、妊娠前よりもすてきなスタイルを手に入れましょう!
2.産後 骨盤矯正はいつからいつまで
産後いつから受けられる?
産後の骨盤矯正は、一般的には出産後体調が安定した1~2カ月後頃から始めるのがよいといわれています。
ただし産後の体調が回復するスピードは個人差があります。また、普通分娩か帝王切開かでも異なってくるので、決して無理をせずお医者様や施術士さんと相談をしながら開始してください。
産後いつまで受けられる?
出産後、骨盤矯正の効果が得られる期限には諸説あり、出産後半年を過ぎると効果を得るのが難しくなるともいわれています。出産後半年は骨盤が柔らかく矯正がしやすいため、一般的な目安として出産後半年といわれることが多いですが、半年を過ぎると矯正が受けられなくなるということではありません。
ただ、半年を過ぎ徐々に固まってきた骨盤を矯正するには、骨盤を正常な状態に戻すまでに時間がかかります。産後あまりにも月日が経つと、産後 骨盤矯正としては施術が受けられないこともありますので、詳しくはご相談ください。